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痛くないインフルエンザワクチン「フルミスト」のご案内(2024.9/12更新)

[2024.08.26]

こんにちは、はっちこどもクリニック院長の和田です。

季節が進むにつれて、インフルエンザの流行が気になる時期が近づいてきました。今年も、皆さんが元気で過ごせるよう、当クリニックではインフルエンザ予防のためのワクチン接種を積極的に行います。そんななかで注射を避けたいお子さんにおすすめしたいのが「フルミスト」という鼻から吸入するタイプのインフルエンザワクチンです。

以下、フルミストについてご説明いたします。

詳しくは日本小児科学会の考え方もご参考になさってください。

フルミストとは?

フルミスト(FluMist)は、インフルエンザウイルスを弱毒化した生ワクチンを用いた、鼻から吸入するタイプのワクチンです。お子さんが針を怖がることなく、簡単に予防接種ができるのが大きな特徴です。フルミストは、今シーズンから2歳以上から19歳未満までの方への接種が承認されており、特にお子さんや注射が苦手な方にとっては、痛みがなく、スムーズに接種ができる選択肢となります。

フルミストの特徴

①痛くない・・・針を刺さず、ワクチンを0.1mlずつ左右の鼻に噴霧するだけなので、痛みがありません。接種による腕の痒みや腫れも起こりません。

実際の接種風景はこちらをご覧ください。

②有効期間が長い・・・不活化ワクチンの有効期間が4か月程度と言われているのに対し、フルミストは1年間程度有効とされています。接種回数は1年に1回です。

③生ワクチンであるため、鼻粘膜での局所免疫を刺激し、特に大人より子供に対して、高い感染予防効果が報告されています。

ただし、実際の有効性については、その年の流行状況などによって変化します。

フルミストの副作用

鼻汁や鼻閉が主な副作用です。咽頭痛、発熱も起こりえます。重篤な副作用は極めて稀です。

フルミストを接種できない方

・発熱や重篤な急性疾患の方

・本ワクチンやゼラチンに対してアナフィラキシーの既往のある方

・免疫不全の方、免疫を抑える薬物(ステロイドなど)を飲んでいる方

・妊娠をしている方、妊娠をお考えの方(接種前1か月間、接種後2か月間の避妊が必要です)

・2歳以上19歳未満でない方(この範囲外の方の接種は認可外の接種となり、当院では原則対応いたしません。)

接種に注意が必要な方(原則、不活化ワクチンの接種をお勧めします)

・アスピリンやサリチル酸ナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸を内服中の方

・タミフルなど抗インフルエンザ薬を内服中の方

・鶏卵に対するアレルギーのある方

・免疫不全患者に接する可能性のある方

・重度の喘息のある方

・授乳中の方

従来の不活化ワクチンとどちらがよいか

どちらのワクチンも、インフルエンザの予防に効果的です。どちらが適しているかは、年齢や体質、注射への耐性などによって異なります。

フルミストは、痛みのない接種方法と迅速な対応が魅力ですが、従来の注射タイプのワクチンも、多くの方にとって信頼できる選択肢です。

もし、どちらのワクチンを選べばよいか迷われた場合は、当クリニックのスタッフまでお気軽にご相談ください。それぞれのご家庭やお子さんに最適な方法をご提案いたします。

予約方法・費用

9/17 10時ごろより予約を開始いたします。ホームページの診療予約から予約をお取りください。

費用は1回9000円(税込み)。助成はありません。

よくあるご質問

〇注射とフルミスト、どちらの効果が高いですか?

現時点でどちらの効果が高いと明言できる根拠はありません。

〇副反応の頻度はどれくらいか?

国内2歳以上19歳未満の治験においては、フルミスト点鼻後14日後までに59.2%の方に鼻汁、鼻閉が報告されています。

ただし比較のために生理食塩水を投与したプラセボ群でも52.6%で鼻汁、鼻閉を認めており、ワクチン成分が原因でない症状も多そうです。

そのほかの接種後に報告された症状として咽頭痛17.9%(プラセボ群17.2%)、咳嗽27.8%(プラセボ群36.8%)、頭痛11.2%(プラセボ群10.6%)などがあります。

〇他のワクチンとの接種間隔に規定はあるか。

生ワクチン、不活化ワクチンともに特に規定はなく、間隔を問わず接種可能です。

同時接種も医学的には可能ですが、当院のオペレーションの都合上、同時接種は原則行っておりません。

〇卵アレルギーがあっても接種可能か?

添付文書上、接種要注意者にあたりますが、接種は可能です。

当院では原則、卵アレルギーがあっても接種を推奨し、対応いたします。

注射•フルミストともに対応いたします。

〇喘息があっても接種可能か?

重度の喘息を有するかた、喘鳴のあるかたは接種要注意者にあたります。

米国では、喘息または喘鳴の既往歴のある 2~4 歳児へのフルミスト接種を推奨していません。

よって当院でも喘息の既往のある低年齢(おおよそ4歳まで)の方には注射のワクチンをお勧めしますが、

どうしても注射が苦手なお子さんなどに関しては、診察の上で、フルミストにも対応いたします。

〇妊婦や授乳婦は接種可能か?

明らかに妊娠している方への接種はできません。接種前1か月、接種後2か月の避妊が必要です。

また、添付文書上、「水平伝播の可能性があるため、授乳婦は フルミスト 接種後 1〜2 週間は乳児との接 触を可能な限り控えること。」とあるため、

授乳している方への接種も現時点では推奨できません。

妊婦・授乳婦のかたは注射のワクチンをおすすめします。

〇フルミストと注射のワクチンを両方打つことは可能か。

可能ですが、現時点で推奨はいたしません。

〇ほかに懸念点はありますか?

接種後しばらく(数日~4週間程度と推測されています)は鼻腔からワクチンウイルスが検出される可能性があるため、

発熱など生じた際、インフルエンザ迅速検査が陽性になっても、本当に罹患したのか、ワクチンによるものなのか、判断が難しくなる可能性があります。

 

 

 

 

 

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